
労働派遣法
2012年法改正
派遣元は賃金、職務内容、福利厚生等に配慮しなければならない。派遣労働者の賃金決定する際、派遣先で同種の業務に従事する労働者の賃金水準や、派遣労働者の職務内容、成果、意欲、能力などを配慮しなければならない。
教育訓練や福利厚生についても同じ。マージン率には社会保険や派遣労働者のキャリアアップのための派遣元負担費用など含む。
マージン率が低いからいいという物ではなく、どのように費用を充てているのか、派遣先労働者との差をおさえるためにはどのような事に使われているのかが重要。
日雇い派遣禁止
雇用期間が30日以内の日雇派遣が原則禁止となりました。ただし、
①または②の場合は例外として認められた。
①禁止の例外として政令で定める業務について派遣する場合
機械設計、事務用機械操作、通訳翻訳速記、ファイリング、調査、財務処理、取引文書作成、デモンストレーション、添乗、
受付案内、研究開発、事業の実施体制の規格立案、
書籍等の制作編集、広告デザイン、OAインストラクッション、
セールスエンジニア営業禁輸商品の営業
②以下に該当する人を派遣する場合
●60歳以上
●雇用保険の適用を受けない学生
●副業として日雇派遣に従事する人
(生業収入が500万円以上の場合のみ)
●主たる生計者でない人(世帯年収が500万円以上の場合のみ)
無期雇用者転換提供
労働者の希望によっては、有期雇用から期間の定めのない無期雇用への転換が進めらるようになった。派遣元は雇用期間が通算1年以上の派遣労働者の希望に応じて以下措置を取ることが努力義務と
なった。
・無期雇用に転換する機会の提供
・派遣先での直接雇用推進
(直接雇用されることを前提とした紹介予定派遣の対象とすること)
・無期雇用の労働者へ転換を推進する為の教育訓練実施
2015年法改正
期限制限ルール見直し
派遣労働者との契約と、派遣先と派遣元間での派遣契約は、
それぞれ「3年まで」と定められた。
●個人単位
同一の有期雇用労働者は同一の「組織単位」(事業所)での
派遣就業は「3年」が条件
※同一の「組織」で就業する為には以下のいずれかを行うこと
・派遣先への直接雇用の依頼
・派遣元での無期雇用転換
※雇用安定措置として派遣元は以下のいずれかを講じる
・派遣先への直接雇用の依頼
・新たな派遣就業先の提供・派遣元での無期雇用
・その他安定した雇用の継続が確実に図れると認められる措置
(労働者が希望しなければ措置は不要)
●派遣先単位
派遣先が同一事業所で派遣労働者を【受入】できるのは原則【3年】
3年を超えて派遣を受入する為には派遣先の過半数労働組合
(組合がない場合は労働者過半数代表者)聴衆が必要。
個人単位の期間制限より派遣先単位の期間制限が先に来る場合は
派遣先単位の期間制限が優先される。
雇用安定措置
派遣元は派遣労働者が、同じ組織に1年以上労働するなど特定の
状況下にて、労働者の雇用継続に向けて措置を講ずること
となった。
派遣元は以下のいずれかを行うこと
・派遣先への直接雇用の依頼
・新たな派遣先の提供
・派遣元での無期雇用
・その他安定雇用の為の必要な措置
(有給教育訓練休暇や紹介予定派遣なども含まれる)
2020年法改正
労使協定方式
派遣元と派遣労働者(過半数代表者または過半数労働組合)間の
労使協定で賃金を設定する。派遣労働者賃金を決定方法は
一般労働者の平均的賃金と比較して同等以上の賃金となるように
しなければならない。
※労使協定が適切な内容で定められていない場合、または定めた事項を従事して
いない場合は、労使協定は適用されず【派遣先均等均衡方式】が切り替わる。
平均賃金設定=各企業先エリア(地域)で同種の業務に従事する
通常の労働者の平均賃金を対象とする。
※厚生労働省HP 職種別平均賃金、一般基本給賞与、地域指数 を参考
派遣先が派遣元に待遇情報提供内容は以下の通り
①派遣労働者と同種の業務に従事する派遣先労働者に対して、
業務の遂行に必要な能力を付与する為に実施する教育訓練
※厚生労働省HP 派遣先の講ずるべき措置 参考
②給食施設、休憩室、更衣室等福利厚生
※厚生労働省HP 派遣先の講ずるべき措置 参考
労働契約法
労働契約5原則
2020年関係法令改正内容
雇用形態に関わらない公正な待遇の確保のため、2020年に
労働契約法・労働者派遣法が改正された。
ポイントは
①不合理な待遇差の禁止
②労働者に対する待遇に関する説明義務の強化
③行政による事業主への助言・指導等や裁判外紛争解決手続
(行政ADR)の整備 となる。
参考:厚生労働省HP 【リーフ】パート・有期法が施行されました
法改正による問題
法改正による問題点①
2013年に改正施行された労働契約法と2015年9月に改正施行された労働者派遣法の影響が同時に発生したことを2018年問題という。
●2015年労働者派遣法改正
・期限制限ルール見直し
・雇用安定措置派遣事業1本化
●労働契約法改正
・派遣契約法無期転換ルール化
文章だけ読めば正社員になれる労働環境が改善したように
見えるが、一方企業では有期雇用だから気軽に採用できた社員を
無期雇用し続けることはデメリットと判断になり、2018年に大量の雇い止め(派遣切り)が起きることが予想された。
労働者派遣法や労働契約法の改正は、無期契約労働者や正社員に
なりやすくなる為に改正されたが、現実は
【派遣で雇えないならそこで打ち切る】ケースが多発。
正社員を希望する人がこの制度によって雇い止めされるのは
仕方ないが、派遣社員のままで良かった人まで派遣切りされて
しまう。
請負ガイドライン
偽装請負にならない為に
契約書上は請負(業務委託)としているが、実質的には派遣の形態のように契約企業側(派遣契約でいう派遣先)が労働者に
指揮・命令をしていることを偽装請負となる。簡潔に言うと
実質は派遣形態だが契約上は請負契約。
請負では、発注者が請負事業者に依頼するのは「仕事の完成」で
あり、「仕事の過程」ではないため、上記の内容は偽装請負
※違法行為となる。
参考:厚生労働省HP【労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準】
※偽装請負にならない為のポイント
●業務委託契約書の作成
①業務委託であることを明記する
②発注者が指揮命令できないことを明記する
③仕様書等で発注内容を明記する
●指揮命令系統を明確にする(表示等)

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