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労働契約法第8条・第9条・第10条「労働契約の内容の変更」について







企業側の諸事情により、労働者と一度締結した労働契約の条件などの内容を変更しなくてはいけない場合がありますが、法律に従って手続きを行わなければ後でトラブルになる可能性があります。

労働契約法第8条・第9条・第10条の内容によって、労働契約の内容変更についてルール化されています。

今回は、労働契約法第8条・第9条・第10条「労働契約の内容の変更」について解説します。


目次



1.労働契約法第8条・第9条・第10条「労働契約法の内容の変更とは?

労働契約法第8条・第9条・第10条によって、以下の内容によって労働契約法の内容の変更となります。


●労働契約の内容変更は、企業・労働者双方の合意がなければ変更不可


●就業規則の変更で労働者が不利益になる内容は、労働者の合意なく変更は不可


●就業規則の変更により労働条件を変更する場合、変更後の就業規則の内容・労働者の不利益の程度・

 内容の相当性・労働組合等との交渉の状況やその他の就業規則の変更に係る事情を照らし合せて

 合理的なものであるとき、労働契約の内容である労働条件は、該当変更後の就業規則に定めるところ

 によるものとする


つまり、労働契約・就業規則の内容の変更を行う場合、又は、変更内容が労働者にとって不利益な内容であった場合には、企業・労働者双方が合意をしなくては変更することが出来ません。

これには例外もあり、条件を満たしている場合には双方の合意なく変更を行う事が可能となるということです。


2.労働契約法第8条について

労働契約第8条では、労働契約の内容を変更するには、雇用主(企業)と労働者の双方が合意することが必要と記載されています。

これは、契約の基本原則である「当事者間の合意」が、労働契約においても適用されていることを示しています。


労働契約法第8条で記載されている労働契約の内容は、労働者を雇用した際に書面等で明示した労働条件や就業規則が含まれます。


3.労働契約法第9条について

労働契約第9条では、就業規則を変更する際の原則として、「使用者は、労働者と合意することなく、就業規則を変更する事により、労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することはできない」とされています。就業規則の変更はあくまでも企業と労働者双方の合意が条件とされています。


就業規則には、労働時間・賃金・退職に関する事項など、労働者にとってとても重要な項目が記載され、企業の一存で就業規則の変更が認められると、労働者が一方的に不利益となる可能性があります。

そのため労働契約法第9条では、労働者の権利・立場を保護するために、労働者の不利益になるような就業規則変更についても、企業・労働者双方の合意を得ることになりました。


就業規則は法改正等によって都度見直されますが、変更するたびに労働者の合意を得るのは手間と感じてしまうかもしれませんが、違反行為とならないよう実施しましょう。


4.労働契約法第10条について

労働契約法第9条では、企業・労働者双方の合意がなければ就業規則の不利益な変更を行うことを原則禁止としています。

しかし、企業としても経費削減のためが目的ではなく、経営を立て直すために労働契約を見直さなければいけないケースもあります。

そのような場合のために、例外として労働契約法第10条に該当する場合、企業・労働者双方の合意を得なくても、就業規則を不利益な変更をすることを認めています。


具体的な内容は、以下の通りです。


➀労働者の受ける不利益の程度

②労働条件の変更の必要性

③変更後の就業規則の名用の相当性

④労働組合等との交渉の状況

⑤その他の就業規則の変更に係る事情


以上の事情を考慮した中で、就業規則の変更が合理的なものであるとみなされた場合、労使間の合意なく就業規則や労働契約の変更が可能となります。


特に➀労働者の受ける不利益の程度については労働者の受ける不利益が大きいほど、労働契約法9条の規定によって就業規則の変更が無効となる可能性が高くなります。


5.まとめ

労働契約法第8条・第9条によって、企業の一方的な意見で労働契約・就業規則の内容変更をすることは禁止されました。

しかし、労働契約法第10条によって例外が設けられ、内容に反していなければ労働者の合意が無くても労働契約・就業条件の変更を行うことが可能です。


内容を把握して、労働契約法を違反しないよう注意しましょう。


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